父
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お前がやるて言ったとやろうが
途中で投げ出すな
中途半端な人間になるな
周りに好敵手が居なくなるまで続けんか
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僕の父の言葉です。
僕はこの言葉が大好きです。
この教えは、僕の中に根強く残っています。
異常な負けん気の強さ。
そして結果を出すまで続ける忍耐。
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父のことを思い出す時、どうしても1つ後悔することがあります。
それは、僕が小学6年の卒業式の時に送った手紙です。
小学校卒業に際し、自分の親にお礼の手紙を書きましょう、ということで、僕も手紙を書きました。
当時の僕は物凄いお母さん子で、殆どの内容が母に向けたものでした。
父もきっと、その手紙を読みました。
あれから15年。
あの時、父に綴れなかった言葉があります。
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父はすごく優しいんです。優しすぎるんです。
風貌は厳つい強面のおじさん。
テレンスリー、髭を生やしたボス。
そんな容姿とは裏腹に、心の底から、根っこの部分から優しくて、愛で溢れています。
そんな優しい父に、一回だけむちゃくちゃ怒られたことがあります。
自分からやると言い出した剣道の練習に行くのが嫌すぎて、泣いて駄々をこねた時です。
「お前がやるて言ったんやろうが!なんば泣きべそかいとっとか!」
物凄い剣幕。真っ直ぐ向けられた目。
ハッとしました。
気づいたら車の中にいて、道場について、練習が終わっていました。
一瞬の出来事。
汗を流した体に風があたると、気持ち良かったです。
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お婆ちゃんの実家がある五島に父と行った時、親戚もいた車の中で、僕はうとうとしてほぼ眠ってました。
運転していた父が、助手席の人にこんなことを言ってました。
「本当に優しい子ですからね。周りをよく見ていて、手を差し伸べることができる。優しくて、強い子に育ってくれました。」
心がジーンと熱くなりました。
涙が溢れました。
人生の節目節目で、
この言葉に助けられています。
僕の宝物です。
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大き過ぎる父の背中。
幼少期からそれをずっと見てきて、だからこそ僕は自分の気持ちを素直に言葉に出来なかったかもしれません。
一流の教育者であり、そして父親。
そんな親父が時折見せる微笑みが、僕は凄く好きです。
2人で飲みに行った時は決まってカラオケ大会になります。
今のところ僕が勝ち越してますが、負けん気が宇宙レベルで強いはずの父が、悔しいどころかニコニコして微笑んでます。
本当に、どうしようもなく親バカですね。
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本当に、本当に偉大な父。
僕の父親になってくれて、育ててくれて、沢山愛してくれてありがとう。